チアノーゼ

チアノーゼ

日勤帯で、受け持ち患者さんをラウンドして状態観察をしていた時のことです。
数時間前まで穏やかな表情をしていた患者さんが顔面蒼白になっていることに気がつきました。
唇の色も紫色で手足も冷たく汗を掻いていました。
声掛けしても返事はなく緊急事態でした。

これはショック状態もしくは低血糖に伴う急変だと推測し、すぐに血圧と脈拍を測定しました。
測定結果は収縮期血圧が70代であり急激な血圧低下を起こしていました。
さらに脈拍は120回/分で(通常は60~90回/分)不整脈はなかったものの、
頻脈であり循環血液量の低下を意味していました。

手足が冷たかったことからSPO2(経皮的酸素飽和度)を両方の指で測定しました。
正常値は95%以上なのですが、この時の患者さんは89%で酸素が十分に全身に
行き渡っていない状態でした。

そこですぐに主治医に報告し指示を仰ぐとともに、枕を外して「頭部後屈顎先挙上」を行い気道の確保に努めました。急いで酸素マスクを準備し酸素(3リットル/分)吸入させました。

加えて、下肢を挙上し、下肢の血流が主要臓器や頭部に循環させるようにしました。
低血糖によるショック状態の有無を確認するために血糖値を測定しました。
結果は108mg/dlであり低血糖が原因であることは否定できました。
その後、胸部12誘導を取り、心臓の動きに変化はないか心電図を確認しました。

心電図には

①P波
②QRS波
③T波

があり①は心房の興奮、②は心室の興奮、③は心室の興奮からの回復を意味します。
心電図の波形でST上昇が見られる場合は心筋梗塞を、ST低下の所見がある場合は狭心症が考えられます。この時の、患者さんの心電図の波形は正常であり、(正常な心電図の波形のことを「洞調律」と呼びます)心筋梗塞や狭心症は否定できました。

さらに点滴をすることも想定して血管確保を行いました。
主治医の指示で、急激な血圧低下によるショック状態を起こしているということで、生理食塩液を急速滴下し救命に努めました。また、追加で血圧を上昇させるためにボスミン注という薬剤を三方活栓を用いてゆっくりと静脈内に注入しました。

その患者さんをナースステーションに最も近い重症部屋へベット移動し、
こまめに、心電図モニターの確認と状態観察を行いました。
しばらくすると、経皮的酸素飽和度は97~98%まで回復し、手足の冷感も軽減し顔色も血色が良くなっていきました。

それに伴い、血圧も120~140台まで上昇し、安定していきました。
今回の急変は急性低血圧によるものでした。

この経験を通して、患者さんの急変にすぐに対応できるように、救急カート内の薬剤の確認(どの薬品がどこに保管されているか)を事前に把握しておくことが大事だと痛感しました。

また、血圧や血糖値、脈拍などのバイタルサインは一般的な正常値はありますが、実際は個々の患者さんによって普段の値が変わってきます。

受け持ち患者さんの普段のバイタルサインを把握しておき、その値と比較して今はどうなのか、という視点も大事になってきます。

また、急変時は1人で対応するのは限界があるので、すぐに他の看護師に応援を頼みます。医師に報告する人、記録を書く人、物品を持って来る人、患者さんから離れずに状態観察を行う人、というように指示出しをして慌てず役割分担をして対応することも、必要な心構えです。

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